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Suite Sweet Suite

キミが鍵を開けたから、最後の部屋が とびきりSWEETなスイートになった
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1年に1度のパウンドケーキ

カカオが、
ドライフルーツのたっぷり入った
みっしりとしたものが好きだということは
一緒に行ったパン屋さんで知りました。

そのとき思い出したのは
母がのこした数枚のレシピメモのこと・・・

私はそれを人づてに受け取ったのですが
小さな固いカードのような紙に
手書きの文字で、分量と作り方が
細かくかいてあるのを見て
当時は驚いた覚えがあります。

けれど今のように、ネットが普及していない時代。
きっと図書館などで料理本を借りて
母が気に入ったレシピを写したのだなと思ったら
何とも言えない気持ちになりました。


カカオに美味しいものを作りたくて・・・
カカオの大好きなものを作りたくて・・・

久しぶりに開けた引き出しには
しまいこんでいたそのメモが並んでいました。
ずっしり大人のパウンドケーキ、と
書かれた一枚を抜きとると
カードからはほんのり昔の匂いが漂うような気がしました。

私はそのレシピの通りに、作り始めました。

材料をきっちりと量り
バターを白くなるまで練って
4個の卵を、黄身と白身とに分けたら
白身を膨らむまで泡立て、
黄身と交互にボウルに入れ
粉をふるって混ぜ・・・

いつも目分量でおおざっぱなO型、
量れないオンナのシロップが
このときだけはこの通りに、きっちりと。

母の声が聞こえてきたような気が、少しだけしました。
集中して行程通りに進めていると
頭の中が、気持ちよく空っぽになって
私はオーブンの前で、汗を拭いました。


そうして仕上がったパウンドケーキは
型の中でまっすぐ佇む一本だったので
事前に味見をすることも出来ず、
私はドキドキしながら、カカオにそれを差し出しました。
昨年のこの日のことです。

持参したナイフで端を切ると
口に入れたそばから、美味しい、とカカオが
声を上げました。

あっという間に食べてくれたかと思うと
もう一切れ、と切り取って
それを食べたらまた、
「もっと食べる」と、もう一切れ。

小食で、嬉しいという気持ちだけでは
たくさん食べられない人だと知っているだけに
私は有難いやら、ホッとしたやらで
胸がいっぱいになって、
ただただ、ケーキを食べるカカオを
見つめていたのです。


大切な日・・・
書きたいことは色々あったけれど、
先日カカオが、お母さまのことを書いてくれたのを読んで
私もこのエピソードを書きたくなったのでした。

母の存在を感じたこと、
その存在に感謝したこと・・・
そこにカカオがいてくれたこと。

カカオに喜んでほしいという気持ちがなければ
私は引き出しを開けられなかったはず。
大好きという気持ちが、私の中の扉を開いてくれて・・・

カカオを好きで本当に良かったと、
どんなにカカオが素敵なひとで、
私がどんなにカカオを愛し、それによって
素晴らしいことがおきているか、
伝えたくてたまらない気持ちになるのです。


今年もまた、渡すことが出来たパウンドケーキ。

これからもきっと・・・毎年、ずっと
母の行程で、カカオに作り続けたい。
それは私にとって、抱えきれない感謝と、そして
「愛してる」を込めた
幸福な儀式なのです。


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カカオ、この一年、元気でいてくれてありがとう。
どんなあなたも大好きよ。




シロップ





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