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Suite Sweet Suite

キミが鍵を開けたから、最後の部屋が とびきりSWEETなスイートになった
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トンズラ ~魔法のおまじない~

ボクが 自らのあの体験に
「いじめ」という言葉を使えるようになったのは
つい最近のことなんだ。

「集団無視」といういじめには違いなかったはずなのに
ボクはずっと、それをされていた自分を認めたくなくて、
自分から望んで離れていた と思いたがっていたんだと思う。

確かに そういう側面もあったかな。

ボク、10歳。 小学5年生。
身体も心もやや早熟で、学校の同級生たちとは
話が合わないと感じ始めた頃だった。

ボクに協調性がなかったり
態度が悪かったりもしたんだろう。

でも、本当の理由はわからない。
ただ、ある日を境に、誰もボクと口をきかなくなった。
本当に突然だった。

どのグループの誰がみんなを先導しているのかは
だいたい察しがついたけど、
ボクも、それならそれでいいやと
強気を決め込んだんだ。

それから卒業までの間、
ボクは、学校で口をきいた記憶がない。

当然、学校での思い出というモノも
何一つ残ってなくて。

当時のことを思い出そうとすると、
蘇るのは首謀者グループたちへの嫌悪感と
ボクには焼く手さえ持ち合わせていないという感じだった
若い女の担任教師への軽蔑の念だけだ。


ボクは毎日 学校が終わるとすぐに
誰もいない家に 一人でまっすぐ帰り・・・

ノートと筆箱だけ取り出してカバンを置くと
マンションの最上階まで階段を上り、
立ち入り禁止のフェンスを乗り越えて屋上へ出た。

そして、柵もなく、がらんと広い屋上の
給水タンクの壁に身を隠すようにもたれて
暗くなるまで ただひたすら
ノートに思いつくままの言葉を書きつけていたんだ。

そんな生活が、2年間。

強がっていたけど、
本当は孤独が
刺すように痛かった。

と同時に、
死ぬことばかり考えていたくせにボクは
ピリピリと、痛いほどに
生きている、
これが生きるということなんだ と感じていた。

この痛みが
生きていくということの大前提なんだと。


それから気の遠くなるような長い長い時間を経て
ようやく卒業・・・

特に誰にも告げないままに
ボクは学区の公立中学には行かず、
知り合いの誰もいない私立中学へ入学した。

それがボクの
人生最初の「トンズラ」だ。

子ども時代のことだから、
それはボクを心配してくれた両親の
理解と愛情と経済力があればこそ
叶ったことだったけどね。


中学で 全く新しい環境の中に飛び込んだボクは
ボクと普通に言葉を交わしてくれる人たちの存在に
純粋に、本当に純粋に感謝したよ。

その気持ちは、今でも忘れない。

信頼とか期待なんて、しないし、いらない。
ウマが合うとか合わないとか、
好きとか嫌いとかも 大きな問題じゃない。

ただ、縁あってそこに居合わせた者同士なら
違うところがいっぱいあっても、
コンチクショーと思うことがあっても、
その存在を、その一人一人の心を
尊重しなければ・・・お互いに痛い。

だって人って本当は
淋しいくせ、求め合っているくせに、
悲しいくらいに、バカみたいに
一人だから。

それが 、にっちもさっちもいかなくなって
ボクがトンズラした2年間とその後から学んだこと。

それから20代になって、
進路で またにっちもさっちもいかなくなって
アメリカにトンズラすることになるけど・・・

そこで奔放に8年暮したアメリカからも
精神的に にっちもさっちも疲れちゃって(←おい)
またトンズラして帰ってくることになるけど・・・

どのトンズラ劇も、そこに至るまでのことも全部
ボクの世界を広げ、今のボクを創った大事な経験。

もちろん細かい反省は多々あるけど、
後悔は何もない。


あの屋上で、2年間綴り続けたノートは
大人になってから捨てたよ。

大人になったボクが、
子どものボクを忘れたとか、捨てたとかじゃない。

刻むべきものは、
しっかりと胸に刻まれている。

10歳のボクが、

「こんなモノを
 後生大事に取っておくようじゃダメだよ」

なんとなく、そう言ってる気がしたんだ。


もう しがらみや責任のない子どもじゃないし
若くもない。
にっちもさっちもいかなくなってトンズラ
なんてことにしないよう、今度こそうまくやるさ。


そう、今度こそ。


それでも こっそり
「いざとなったら いつでもトンズラ」っていう
心の支えのおまじないは、唱えながらね。


うまくやるさ。



カカオ


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